Pillsure Pocket

Pillsureは、2017年にBoris Sossa氏とAlan Tingle氏によって設立されました。電子業界で長年にわたって経験を積んできたSossa氏は、Narrowband IoT（NB-IoT）などの低電力広域ネットワーク（LPWAN）技術が、特に医療業界において、広範なスマートソリューションを実現できる可能性を秘めていることを早期から認識していました。

2014年、Boris Sossa氏は、新しいLPWAN NB-IoTセルラー通信技術が開発中であることを知り、いずれは世界的に標準化されるだろうと予測しました。Sossa氏はビジネスと医療分野での可能性を想定し、アイデアを練り始めました。彼は以前働いた経験のあるオランダの2つの技術会社に連絡を取りましたが、このときの製品開発の調査はうまくいきませんでした。しかし、3GPPが発表されたことで、このテクノロジーは2016年に現実のものとなりました。

2019年には、医療分野での実績が認められたMike Smith博士が同社に入社しました。さらに、ITとNB-IoTテクノロジーに関する豊富な専門知識を持つYannis Argirakis博士が2020年にCTOとして入社したことで、チームは完成しました。両者とも、会社の経営に欠かせない貴重な追加メンバーです。本製品のような毎日の服薬の状況を患者自身が追跡できるスマート錠剤ディスペンサーがなければ、家族、友人、または専門家によるサポートが必要となる場合もあります。

Pillsure Pocketは、患者/使用者の外出時に共に移動できるよう、携帯可能なデバイスとして開発されました。この小型デバイスは、NB-IoTテクノロジーを介して独立して動作します。このテクノロジーは、1NCEが提供する統合型産業用eSIMにすでに内蔵されているため、ユーザーはコネクティビティについて心配する必要はありません。

Background

適切な薬物療法は、患者の寿命を延ばし、地域社会でより長く、自立して生活し続けることが可能になります。しかし、複雑な投薬計画は混乱を招き、特に高齢者にとっては遵守し続けることが困難です。Pillsure Pocketソリューションは、適切な医薬品の摂取を簡単な操作で確実に行えるようにサポートすることで、ユーザーのストレスとコストを減らすことを狙いとしています。デバイスのすべての機能は、AndroidやiPhoneのスマートフォンで利用できるPillsureアプリを通じ、リモートで操作できます。デバイスは独立して動作するため、周囲にスマートフォンがなくても大丈夫です。アプリを通じて、介護者は以下のことができます。

l  デバイス（患者/ユーザー）がどこにあるか確認する（位置情報の最後の送信場所）

l  デバイスのバッテリーステータスを確認する

l  周囲温度を確認する

l  服薬時間を把握する

l  服薬の履歴 – アラート発信から服薬までの遅延時間を把握する

l  通知を受信する（緊急ボタンが押された、特定の時間内に薬を飲まなかった）

l  服薬時間を設定する

l  通知レベルを設定する（ブザーレベル、振動レベルなど）

l  緊急連絡先番号を設定する

Challenge

Pillsure Pocketディスペンサーを設計する際には、シンプルさ、可動性、長寿命が最優先事項でした。同様の市販品は、取り扱い方法が複雑で、ローカルネットワークのある場所への固定が必須、また必要な接続を行うために常に近くにスマートフォンを置かなければならないなどの短所がありました。Pillsure Pocket は、ローカル ネットワークや他のデバイスから独立して動作し、ユーザーに最大限の柔軟性とモビリティを提供することを目指しています。ただし、バッテリー駆動時間のことを考えると、常時接続は難しい課題となります。また、使用を1つの国のみに制限しないソリューションが必要でした。

1NCE Solution

Pillsure Ltd.は、Narrowband IoT（NB-IoT）無線テクノロジーを選択しました。その長寿命と利用のしやすさは他に類を見ません。1NCE はすでに世界中の多くの国でNB-IoTコネクティビティを固定価格で提供しており、追加料金はかかりません。これにより、ハードウェアメーカーは、コネクティビティを簡単に計算してデバイスに統合できます。プリペイドで1回支払うだけでサービスを10年間利用可能です。そのため、通常はデバイスの寿命が到来するまで利用できます。