PTCRBとは

PTCRB（PCS型式認証審査委員会）は、北米のセルラーネットワークとのワイヤレスデバイスの互換性を保証する認証プログラムです。PTCRB認証は、米国無線通信事業者協会（CTIA）が管理しており、北米で携帯電話製品を販売しようとするメーカーにとって重要な要件となっています。

PTCRBの目標

PTCRBの目的のうち、以下の3点が強調されています。

• デバイスの互換性の確保：PTCRB認証の主な目的は、ワイヤレスデバイスが複雑で多様な北米のセルラーネットワークと完全に互換性があることを保証することです。これには、デバイスの機能に対するさまざまな観点の厳格なテストと評価が含まれるため、必要な電気通信基準を確実に満たすことになります。

• ネットワークの信頼性の向上：PTCRB認証は、特定の帯域、プロトコル、およびテクノロジーを採用することで、セルラーネットワークの信頼性とパフォーマンスを向上させるのに役立ちます。認証済みデバイスは、地域のMNOとシームレスに連携するよう最適化されており、ネットワークの中断を最小限に抑え、全体的なコネクティビティを向上させます。

• ネットワーク接続の有効化：必要なPTCRBテストに合格したデバイスには、固有の国際移動体装置識別番号（IMEI）が割り当てられます。モバイルキャリアは、このIMEIに基づいて承認されたデバイスを識別し、ネットワークにアクセスする権限を与えます。したがってPTCRB認証は、不正なデバイスによるネットワークへのアクセスを防ぎ、セキュリティとサービス品質を確保する上で重要な役割を果たします。

認証プロセスの概要

PTCRB認証プロセスはいくつかのステップで構成されており、特定の段階にはメーカーが積極的に関与しています。

認証要件文書の一覧とは

• PTCRBプログラム管理文書：ワイヤレスデバイスの認証プロセスについて、メーカーに説明します。

• PTCRB NAPRD03文書：デバイス認証の技術要件を規定します。

• PVG Permanent Reference Document（PVG恒久的参照文書）PVG.11：認証のためのテストで使用される周波数帯域を特定します。

詳細はこちら：認証プログラム | PTCRB

コスト

PTCRB認証にはコストの考慮が不可欠であり、その費用は、デバイスの機能の複雑さや使用するコンポーネントのタイプといった要因によって大きく異なります。メーカーは、必要なテストをすでに受けたPTCRB認証済みモジュールまたはチップセットを利用することで、コスト削減を達成することができます。認証コストは10,000ドルから500,000ドルの範囲であり、デバイスの統合と認証済みのコンポーネントによって、0ドルから1,000ドルにまでコストを削減できる可能性もあります。

認証済みデバイスの確認方法

デバイスタイプ、メーカー、モデル番号/名称など関連データをPTCRBのWebサイトに入力するだけで、PTCRB認証済みデバイスを確認できます。

PTCRB認証済みデバイスは、スマートフォン（例：Apple iPhoneシリーズ、Samsung Galaxyシリーズ）、タブレット（例：Apple iPadシリーズ、Samsung Galaxy Tabシリーズ）、ウェアラブル（例：スマートウォッチ、フィットネストラッカー）、モジュール（例：Quectel BG96、u-blox SARA-R4シリーズ）、フィーチャーフォン（例：Nokia 3310、Alcatel GO FLIP）、モバイルホットスポット（例：Netgear Nighthawk M1、TP-Link M7350）など、幅広いカテゴリに及びます。