IT/OTコンバージェンスとは、組織内で情報技術(IT)と運用技術(OT)を統合し、シームレスで統合された環境を構築するプロセスです。リアルタイムデータと、自動化や分析機能を活用し、製造、輸送、医療など、さまざまな業界における効率化と意思決定を支援します。
IT/OTコンバージェンスの仕組み
IT/OTコンバージェンスとは、情報の収集・管理に使用するツール、システム、およびデータ(IT)と、物理的なプロセスやアセットの制御・最適化に使用するツールやテクノロジー(OT)を統合することです。
ITツール:
エンタープライズリソースプランニング(ERP):SAP S/4HANA – 財務、販売、在庫、人事などのさまざまなビジネス機能を統合するERPソフトウェアスイートです。
ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)ソフトウェア:Ignition HMI/SCADA – オペレータが機械やプロセスと対話するためのビジュアルインターフェイスを提供します。
アセット管理ソフトウェア:IBM Maximo – 組織による物理的アセットの追跡・管理を支援します。
OTツール:
ITシステム:
OTシステム:
データ:
センサーデータ:IoTセンサーからの温度、湿度、モーション、圧力の読み取り値。
オペレーショナルデータ:生産量、マシンの稼働時間やダウンタイム(停止期間)、プロセス変数。
メンテナンスデータ:メンテナンスログ、機器の稼働状態、メンテナンススケジュール。
顧客データ:顧客プロフィール、購入履歴、嗜好、フィードバック。
IoTとIT/OTコンバージェンス
IT/OTコンバージェンスはITツールやITシステムをOTツールと統合してIoTデバイスやプロセスを管理・制御するため、モノのインターネット(IoT)と密接に関連しています。
IoTにおけるIT/OTコンバージェンスのユースケースをいくつかご紹介します。
スマートマニュファクチャリング:スマートマニュファクチャリングの設備では、IT/OTコンバージェンスはIoTセンサーからの生産データを、製造実行システム(MES)やエンタープライズリソースプランニング(ERP)ソフトウェアに統合します。
スマートビルディング:スマートビルディングでは、IT/OTコンバージェンスはビル管理システム(BMS)とIoTデバイスを統合し、HVAC、照明、セキュリティ、エネルギー使用量を監視・制御します。
コネクテッドトランスポーテーション:運送業界では、IT/OTコンバージェンスは輸送管理システム(TMS)をIoT対応車両や物流プラットフォームに統合します。
ヘルスケアと遠隔医療:ヘルスケアの分野では、IT/OTコンバージェンスは医療機器と患者データを、電子健康記録(EHR)システムや遠隔医療プラットフォームに統合します。
精密農業:精密農業では、IT/OTコンバージェンスは土壌水分モニターやウェザーステーションなどのIoTセンサーを、農業管理システムに統合します。