NATの仕組み

パソコンや携帯電話から、急成長しているモノのインターネット(IoT)アプリケーションに至るまで、多数のデバイスがシームレスに情報を交換しています。この相互接続された環境は効率的な通信プロトコルによって支えられています。ネットワークアドレス変換(NAT)は、プライベートネットワークでのセキュアで最適なインターネット接続を容易にする基盤技術です。NATとその機能については、次のセクションで詳しく説明します。

NATのコア機能について

NATのコア機能とは何でしょうか。インターネットは、インターネットプロトコル(IP)アドレスと呼ばれる一意の識別子のシステムに依存しています。これらのアドレスが番地のように機能することで、デバイスは広大なデジタル空間の中で互いに位置を特定し、通信できます。パブリックIPアドレスは、インターネット上で容易に見ることができ、アクセスが可能なため、通信における主要な識別子です。しかし、セキュリティや管理上の目的から、ホームネットワークや企業イントラネットなどのプライベートネットワーク内のデバイスは、プライベートIPアドレスを使用しています。これらのプライベートアドレスは、インターネット上で直接ルーティングできないため、単独ではより広範なWebの情報を送受信することはできません。

これを解決するのが、重要な中継手段としてのNATです。NATは変換装置やブリッジとして定義でき、プライベートネットワーク内のデバイスがインターネットと対話する際、その全通信を管理します。NATのコア機能の詳細は次のとおりです。

  • 変換プロセス: プライベートネットワーク上のデバイスが、要求(オンラインでの研究論文の検索など)を開始すると、その要求はデバイスのプライベートIPアドレスとともにデータパケットにパッケージ化されます。NATゲートウェイとして機能するルータは、このパケットをインターセプトします。NATは、プライベートアドレスを、インターネットサービスプロバイダー(ISP)がネットワークに割り当てたパブリックIPアドレスに置き換えます。その後、データパケットはインターネットに送信されます。

  • 応答の配信:関連情報がWebサーバから取得されると、パブリックIPアドレスに宛に応答が到着します。ルータは、パブリックIPを認識し、それをネットワーク内の要求元デバイスのプライベートIPに変換し、それによって通信ループを完了します。

NATデバイス、すなわちネットワークアドレス変換デバイスは、ネットワーク内でNAT機能を実装するハードウェアまたはソフトウェアコンポーネントです。これには、NATルータ、NATファイアウォール、プロキシサーバ、ロードバランサ、統合アクセスデバイス(IAD)などがあります。

IoTで拡大し続けるNATの役割 

パブリックIPアドレスのプールが限られている場合、各デバイスがインターネット上で一意のIDをもつにはどうすれば良いでしょうか。またその場合、NATの役割は何でしょうか。

NATは、次のメカニズムを使用してこの課題に対処しています。

  • IPアドレスの節約:プライベートネットワーク内の複数のデバイスが1つのパブリックIPアドレスを共有できるようにすることで、NATはこの限られたリソースの使用を最適化します。 

  • セキュリティの強化(間接的):パブリックIPアドレスは、インターネット上で容易に見ることができます。一方、プライベートIPアドレスを持つデバイスは、Web上で直接検索する攻撃者には見えません。これにより、間接的なセキュリティレイヤが加わり、不正アクセスの試みがさらに困難になります。ただし、NAT自体はセキュリティ対策ではないことに留意する必要があります。NATはファイアウォールやその他のセキュリティソリューションと連携して機能し、階層化された防御戦略を構築します。

さまざまなタイプのNAT

NATのコア機能は同じですが、特定の要件を満たす3つの主要なタイプがあります。

  • 静的NAT: ネットワーク内の特定のデバイスに固定パブリックIPアドレスを割り当てます。これは、Webサーバやリモートアクセスが有効になっているセキュリティカメラなど、インターネットとの連続的で中断のない通信を必要とするデバイスに特に便利です。

  • 動的NAT: プールからデバイスに、パブリックIPアドレスを必要に応じて割り当てることで、柔軟性が向上します。動的NATは、ホームネットワークで使用される最も一般的なタイプのNATです。継続的なインターネットアクセスを必要としないさまざまなデバイスに対するパブリックIPアドレスの割り当てを効率的に管理します。

  • NAPT(IPマスカレード・PAT):特殊なタイプの動的NATで、ポート番号を使用して区別することで、複数のデバイスが単一のパブリックIPアドレスを共

NATの幅広い用途

NATの用途、そしてホームネットワークにとどまらない真の可能性とはどのようなものでしょうか。以下をご覧ください。

  • 組織化されたネットワーク: 大規模な内部ネットワークを管理可能なサブネット(地区など)に分割し、各サブネット内のトラフィックフローを分離することで、セキュリティとパフォーマンスを向上させます。

  • トラフィックフローの最適化:制御システムとして機能し、プライベートIPアドレスを、インターネットアクセス用のパブリックIPアドレスのより小さなプールに変換します。これにより輻輳を軽減し、通信を合理化し、ネットワーク運用を円滑にします。高速道路の効率的な入り口と考えてください。

  • 間接セキュリティの強化: 攻撃者が特定のデバイスを標的にすること困難にします。パブリックIPアドレスは表示されますが、NATによりプライベートな内部デバイスアドレスが隠されるので、追加のセキュリティレイヤとして機能します。

  • パブリックIPの節約:パブリックIPアドレスは、限られたリソースです。NATを使用すると、複数の内部デバイスがインターネットアクセス用の単一のパブリックIPを共有できるため、ISPからの貴重な割り当てを節約できます。

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